意外と身近な刑事事件

意外と身近な刑事事件

痴漢に間違われて捕まった場合の対応

痴漢行為は、当然ながら刑事事件の対象行為です。痴漢行為は、自治体の迷惑防止条例違反の行為でもありますし、場合によっては、刑法上の強制わいせつ罪(刑法176条)が成立します。そして、痴漢行為が裁判で有罪となれば、迷惑防止条例違反の場合、50万円以下の罰金又は6月以下の懲役に処せられる余地があり、刑法の強制わいせつ罪にあたる場合、6月以上10年以下の懲役に処せられる余地があります。

被害者の肉体的・精神的苦痛を察すると、痴漢行為は非常に卑劣な犯罪であります。その一方で、痴漢行為の立証は被害者の供述に頼るところが大きいため、冤罪も多く発生しているのも現実です。誰でも、いつ痴漢と間違われて逮捕され、人生を棒にしてしまいかねないのです。特に、刑事事件で「自分は痴漢をやっていない」と無実を主張する場合、警察・検察による長期間の取調べを覚悟する必要があります。通常、否認事件の場合、逮捕後勾留されることが多く、長期間拘束されることになります。そのため、自身の社会生活に多大な影響を与えてしまいます。

仮に、痴漢に間違われて逮捕された場合は、速やかに弁護士と接見出来るように警察に要望しましょう。もし、知人に弁護士がいればすぐに接見するように頼みましょう。逮捕されると、自由に人と会うことも出来なくなりますが、弁護士の場合、立会人なくして接見出来ることが法律で規定されています(刑事訴訟法39条1項参照)。速やかに弁護士と接見出来れば、弁護士から取調べをどのように切り抜けることができるかなどさまざまなアドバイスを受けることができます。

また、最近の裁判実務によると、痴漢事件で否認している場合、裁判所は検察官からの被疑者勾留の請求を認めない傾向にあるといわれています。かつては、被疑者が否認している場合、裁判所は検察官からの被疑者勾留の請求について、これを認めることが多かったのですが、最近の相次ぐ痴漢冤罪により、勾留請求を原則認めない運用をしているとされています。

現に最近の傾向として検察官からの勾留請求を認めない件数が年々増加しているとのことです(毎日新聞2015年12月24日付記事参照)。勾留されないとなれば、逮捕されても数日で釈放となりますから、会社に勤めていれば影響を最小限に抑えることができると考えられます。痴漢に間違われて逮捕された場合は、直ちに弁護士と接見できるようにすることが大切です。

DATE:2016/09/14

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